裕ちゃん アメリカへ逃避行
撮影所時代 (その10)
1960年(昭和35年)1月、裕ちゃんと北原三枝さんはアメリカへお忍びで渡航、頑としてスター同士の結婚を許可しようとしない堀社長に対するデモンストレーションだった。堀社長からの連日連夜の電話攻勢にも裕ちゃんは頑として応じず、徹底抗戦、遂に堀社長からの「ケッコンユルス スグカエレ」の電報を受け取り、それでやっと帰国の決意をしたと言う。
2月に入って帰国、戦線に復帰した。愛する人とどんな障害があっても結ばれるまで戦い続ける裕次郎の姿勢に、密かに拍手を送っている人は多かったと思う。
堀一族の専横に対して敢然と戦いを挑んだ裕ちゃんを、ほとんどのスタッフやキャストは、応援していたと言えよう。
それから結婚式まで、プロデューサー室で水の江さんをはさんで仲良く話を交わしている裕ちゃんと三枝さんの姿をよく見かけたものだ。
そして同年12月2日、裕次郎と北原三枝は日活国際会館で華燭の典を挙げた。披露宴に招かれた客は巨人の長嶋茂雄、歌手の江利チエミ、プロレスラー力道山ら各界の著名人ばかり。報道陣もテレビや週刊誌など100社以上つめかけたそうである。
勿論、日活の監督や俳優のほとんどが出席、その日の撮影所内は閑散として開店休業の有様だった。
世紀の結婚式はこうして終わった。結婚を機に北原三枝は引退、裕次郎を支える側に徹したのだ。彼女の姿勢は立派だったと言えよう。三枝さんの現役最後の作品は裕次郎との共演作、「闘牛に賭ける男」であった。
この年、日活は裕次郎、旭、赤木の3人に和田浩治を加えてダイヤモンド・ラインを結成、攻勢に打って出た。和田浩治は裕次郎に似ているということでスカウトされたのだが、第2の裕ちゃんには幼すぎてなり得なかった。ジュニア版”渡り鳥”作品が次々と企画されたが、主役を張り続けるには残念ながらいまいちの感があった。
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